株式会社ミズカラ
属人化からの脱却。AIで取り戻す「本来の価値」に集中できる時間
- AI活用
- 業務効率化
- 自走組織化

株式会社ミズカラ 組織コーチング事業部企画責任者 兼 セルフコア事業部責任者 松浦俊太様
事業内容:
■個人向けコーチング事業
・キャリアコーチング
・パーソナルコーチング
・コーチングスクール
■企業向けコーチング事業
・組織コーチング
属人化からの脱却──「本来の価値」に集中できる組織をAIで作る
今回、AI研修を導入しようと思った背景を教えてください。
松浦様:私たちのビジネスは「人」に価値がある仕事です。コーチングは1対1のコミュニケーションが主軸にあり、当然ながら属人的になりやすい。私たちはこの属人化の最大化をテーマとして、事業戦略を設計しています。ですが、それ以上に問題だったのが、コーチが“本来の仕事以外”に追われていたことでした。
たとえば、お客様からの問い合わせ対応、契約関係の事務作業、講座の運営資料づくりや社内調整など。調べて、書いて、整える。このルーティンが積み重なると、肝心の「人と向き合う時間」が後回しになってしまうんです。
そこで、業務の一部をAIに置き換えることで、コーチが“コーチであること”に専念できる環境を作りたいと思いました。これは、効率化というよりも「本来の価値への回帰」でしたね。

数ある選択肢の中で──“信頼と実績”が導いたパートナー
エヌイチをパートナーに選ばれた理由は?
松浦様:AIに関するサービスは本当にたくさんあります。ただ、その多くは「知識提供型」だったり「ツール紹介」に留まる印象が強かったんです。
そんな中で、AIスクールや業界に詳しい知人に「信頼できるところは?」と聞いたら、真っ先に名前が出てきたのがエヌイチさんでした。実際に調べてみると、toC向けのスクール運営での豊富な実績や、AI導入を進める企業との伴走型の支援が際立っていて、「ここなら一緒に実装まで行ける」と確信できたんです。
研修会社ではなく、“共に考えるパートナー”という印象でしたね。だからこそ、実行フェーズまでしっかり支援してもらえるだろうと期待してお願いしました。
学んで終わらせない──“実装ありき”のAI活用で現場が変わる
導入前、不安に感じていたことはありましたか?
松浦様:一番の懸念は、「学んだだけで終わらないか?」という点でした。そもそも研修って、座学やハンズオンで盛り上がるんだけど、結局現場に落ちないまま風化してしまう。そういう例を多く見てきたんです。
また、当時は社内でも「AIって結局何ができるの?」という段階で、ゴールが見えていない状態でもありました。だからこそ、成果をどう可視化するのか、実務とどうつながるのか、導入初期に見える変化がどれくらいあるのか──そこに不安は正直ありました。
でも逆に言えば、「正しく活用できれば、全社を変える起点になる」という期待も大きかったです。だからこそ、本気でやろうと決めていました。

組織変革のカギ──マネージャーが動けば、組織は動く
研修対象にマネージャー層を選んだ理由は?
松浦様:組織が変わる時って、やっぱりリーダー層のマインドが変わるところから始まるんですよね。
特にマネージャー層は、日々の業務量が膨大で、自分の業務だけでいっぱいいっぱいな人が多かった。問い合わせや日常のやり取り、チャット・メール・資料づくりなど、目の前のタスクに追われ、将来に向けた改善の時間が確保できていなかったんです。
2〜3時間もあれば100通以上のチャットやメールが溜まり、それだけで1日が終わってしまう現状がありました。
だからこそ、「時間がないからこそ変える必要がある」と思ってもらえるかがカギでした。研修で得たことを、自分のチームにどう伝播させていくか──マネージャー自身がその起点になってもらうことを狙っていました。

想像を超えた“没入感”──自分ごと化する設計がすごかった
実際に研修を受けて、率直な感想はいかがでしたか?
松浦様:率直に言うと……舐めてました(笑)。私たち、普段から人前で話すことが多い職業ですし、「研修慣れ」しているんですよ。だからこそ「まあ、内容は想像できるかな」と思っていたんです。
でも、実際に始まってみると、構成が完璧で。導入から流れの組み立て、問いの設計が秀逸で、いつの間にか“参加者全員が当事者意識を持っていた”という状態になっていました。
ただ聞くのではなく、「これは自分の仕事にどう活かすのか」「明日から何を変えるか」まで持ち帰れる設計になっていて、本当にプロの仕事だなと思いました。
“怖さ”を消す導線設計──ガイドラインがあるから使えるようになる
情報漏洩などのAI活用に対する不安は?
松浦様:もちろんありました。ChatGPTって、便利だけど「どこまで入力していいの?」という不安が常につきまとうじゃないですか。
でも研修では、「どこにリスクがあるのか」「どう設定すれば安全なのか」などを丁寧に解説してくれて、不安が一気にクリアになりました。
また、具体的な禁止例・活用例もあったので、スタッフにも「これはやってよい」「ここまではやらないほうがいい」が明確になり、チーム内でも安心して活用できる空気が生まれました。

社内に広がる“AIの輪”──「やってみたかった」が自走チームに
研修を経て、どんな変化が社内にありましたか?
松浦様:一番大きかったのは、「実はAIやってました」と名乗り出てくれた社員がいたことです。これまで表に出ていなかったスキルが研修をきっかけに表出し、自然発生的にAI推進チームができました。
その結果、部門を横断して情報共有が始まり、「じゃあ、こういう業務にも使えるんじゃないか」といった前向きな議論がどんどん生まれていったんです。
“AIは経営課題”というメッセージが社内に根付き始めたのもこの頃です。トップが明言し、現場が動き始めた──これは研修を通じて生まれた大きな成果だと思っています。
成果は“数字”で証明──問い合わせ対応の自動化で200時間削減
実際にどのくらい業務が効率化されましたか?
松浦様:一例ですが、弊社には年間約1,700件の問い合わせがあります。以前はすべて人力で対応しており、対応時間は年間283時間にも及んでいました。
それがAIのFAQ自動応答やテンプレ活用によって、85時間まで短縮。つまり、約200時間、営業日で換算すると25日分の工数が浮いた計算になります。
この浮いた時間で、メンバーは未来のことを考えたり、改善に時間を使えるようになったんです。単なる効率化ではなく、「時間の質」が変わった実感があります。

目指すは“手を触れなくても動く”仕組み──AIは組織の一員になる
エヌイチの研修の魅力をどのように感じていますか?
松浦様:エヌイチさんのすごいところは、“気づかせる力”です。私たち社内の人間では気づけない思考の癖や組織的なボトルネックを、自然な会話の中で指摘してくれる。
そして、教えるだけではなく、「どこまで社内で自走できるか」「どこを外部が担うべきか」という線引きまで一緒に考えてくれるんですよ。これは、単なる研修業者にはできないことだと思います。
教えることのプロフェッショナルであり、同時に事業を共に考えるパートナー。そんな存在ですね。
対人支援の現場にこそAIを──“人らしさ”を取り戻すために
最後に、どんな企業にこの研修を勧めたいですか?
松浦様:コーチングや人材紹介など、対人支援をしている企業には特におすすめしたいですね。
人に寄り添うという価値を最大限に発揮するためには、余計な事務作業をAIに任せるべきです。効率化は手段であり、目的は“人が本来の仕事に集中する”こと。そこに立ち返らせてくれるのが、エヌイチの研修でした。
「このままじゃ時間がもたない」「人が疲弊している」──そんな課題を感じている企業に、強くお勧めしたいですね。